中国の政府系ファンドの金ETF「SPDRゴールド・シェア」取得とは?
2009年11月30日の中国紙『中国青年報』によれば、政府系アナリストの国務院国有重点大型企業監事会・李暁南主席が「3〜5年以内に6000トン、8〜10年以内に1万トンまで金の保有量を増やすべきだ」と指摘したそうです。
また、アメリカ系の通信社であるブルームバーグによれば、2010年2月5日付のアメリカのSECへの提出書類には、中国の政府系ファンドのCIC(中国投資公司)が、原油ETFとともに金ETFのSPDRゴールド・シェアを145万口、1億5560万ドル(2009年12月末時点)で取得したそうです。
ちなみに、1口は10分の1トロイオンスですから、これは14万5000トロイオンス(4.5トン)で、およそ175億円ということになります。
3000億ドル(30兆円)を運用している政府系ファンドにとっては、175億円程度は微々たるものかもしれませんが、中国政府の別働隊が金ETFを介して金市場に入ってきたという事実はかなり衝撃的な出来事といえそうです。
これまでにも、中国がヘッジファンドなどを通じて間接的に金市場に入ってきているといった推測はなされていましたが、ついに現実的なものになったということなのでしょう。
今後の中国の政府系ファンドの動向は?
今後も、金ETFを購入していくのか、あるいは試しに買う「打診買い」なのかはわかりません。
しかしながら、大口投資化の場合、SPDRゴールド・シェアを売ったときに、おカネではなく現物の金(ゴールド)を受け取ることができるわけで、このルートを使って現物取得の動きを見せる場合には、金市場はかなり動揺するものと思われます。
なお、今回は中国がCICを使って金ETFを取得したからといって、金価格が急騰したわけではありませんので、その意味では、マーケットは冷静に対応したといえそうです。
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