中国は金(ゴールド)の世界で存在感を増している?
中国は、世界的な金融危機が始まって間もなくの2008年11月に、4兆元(約54兆円)の財政支出を決めました。この素早い行動がいち早い景気回復につながったものと思われます。
今では世界経済は中国頼みのような状況になっていますが、金(ゴールド)の世界においても、中国は存在感を増しています。
具体的には、中国は2007年には270.491トンの金(ゴールド)を生産していますが、このとき産出大国といわれていた南アフリカを抜いて初めて世界一の産出国になっています。
その後も増産が続き、CGA(中国黄金協会)発表のデータによれば、2008年は前年比4.26%増の282トン、2009年は前年比11.3%増の314トンとなっています。
その一方、宝飾需要など実需でも、中国はインドと世界一を競っています。
2009年の中国とインドの金需要は?
インドでは、金融危機の影響によって経済が低迷していましたが、さらにドル建て金価格が上昇した上に、インドルピーがドルに対して安くなったことから、金需要が大きく落ち込みました。
実際、2009年1〜3月の需要は、前年同期比83%減の17.7トンまで激減しています。
これに対して、中国は、同2%増の105.2トンを記録していますが、これには、次のようなことが影響していると考えられます。
■経済の回復軌道に乗るのが比較的早かったこと
■高度成長が続いて国民の購買力が高まっていること
■価格が上昇するものには食らい付いていくという国民性があること...など |