ユーロ圏の金(ゴールド)売却の背景は?
ベルギーやオランダは、前述したユーロ導入基準の1つである累積債務残高を、GDP比60%以下に抑えられない状態にあったことから、保有する金(ゴールド)を売却してこれをクリアしようとしました。
実際に、ベルギーは1995年に175トン、1996年に203トン、オランダは1997年に300トンを売却しています。
ユーロ圏以外での金(ゴールド)売却は?
ユーロ圏以外の国々も保有している金(ゴールド)の売却を始めました。具体的には、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が1997年に167トン売却しています。
ちなみに、オーストラリアは金産出国であり、2008年は中国に次いで2位の上位にいます。
そのような産出国というのは、通常ですと、金(ゴールド)の価値を下げるような売却は避けるものなので、オーストラリア準備銀行の判断は金市場に衝撃を与えました。
また、同年にはアルゼンチンも125トンを売却しています。
さらに、1998年には、金産出国のカナダ※が229トンを売却していますが、カナダは産出国でありながら定期的に金(ゴールド)を売却し続けていました。
こうしたことが、1999年に締結される中央銀行の金売却を制限する「ワシントン協定」へとつながっていったのです。
※2008年は8位でした。 |