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1990年代に金が大量売却された理由は?

金(ゴールド)が大量に売られた原因は?

1990年時点の中央銀行など公的部門が保有する金(ゴールド)は、3万5500トンもありました。

しかしながら、1990年代後半にかけて、外貨準備に占める金(ゴールド)の割合が大きい欧州の中央銀行を中心として、売却量が増加したことから、金価格はどんどん下落し、ついに1999年7月には1トロイオンス=252.8ドルという史上最安値をつけることとなりました。

このように1990年代に金(ゴールド)が大量に売られた理由としては、大きな歴史的転換があったといわれています。

金(ゴールド)が大量に売られた歴史的転換とは?

かつての米ソの冷戦構造が終結し、1989年11月にベルリンの壁が壊されて、資本主義が勝利したことにより、それまで東側の盟主であったソビエト連邦は崩壊し、ロシアに変わり、1990年代は、資本主義の盟主であるアメリカに権力も富みも集中しました。

このため、資産としては金利を生まない金(ゴールド)を保有しているよりも、世界で最も信用のあるアメリカ国債を保有して金利を得るほうが合理的と判断されたのです。

また、欧州のいくつかの国では、ユーロを導入するために財務体質を強化する必要があり、資金調達のために金(ゴールド)を売却したという事情もあったようです。

ユーロ導入の基準とは?

前述したユーロに参加するには、「経済収斂基準」を満たす必要があったのですが、この基準は次のようなものだったとされています。

物価
⇒ 物価については、過去1年間、消費者物価上昇率が、消費者物価上昇率の最も低い3か国の平均値を1.5%より多く上回らないこと。

財政
⇒ 財政については、過剰財政赤字状態でないこと。具体的には、財政赤字GDP(国内総生産)比3%以下、債務残高GDP比60%以下。

金利
⇒ 金利については、過去1年間、長期金利が消費者物価上昇率の最も低い3か国の平均値を2%より多く上回らないこと。...など


日本の経済力は以前ほど強くない?
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金(ゴールド)の保有量・外貨準備
1990年代に金が大量売却された理由は?
中央銀行が金売りから金買いに転換した理由

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IMFの保有金売却で金価格が高騰?


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