明治以降について
1868年1月3日に明治新政府が創設されると、1871年(明治4)年には通貨についても、日本で最初の近代的な通貨制度である「新貨条例」が制定されました。
また、当時国外で英国ポンドを中心に一般的となっていた金本位制を日本でも採用することとなり、金1円の金含有量が1ドル金貨とほぼ同じであったことから、ドルと円の交換レートは1ドル=1円に定められました。
その後、日本は西欧列強と肩を並べる軍事力・経済力を備えるために富国強兵政策を掲げ、円の供給量を増やしていきました。
このため、日清戦争(1894〜1895年)が終わった頃には、1ドル=2円となっており、わずか20年で円はドルの半分の価値になってしまったのです。
第一次世界大戦後について
日本は第一次世界大戦においては、参戦国でありながら、主戦場はヨーロッパであったことから、実際には関わることはほとんどなく、軍需物資の特需で潤いました。
しかしながら、その後1923年の関東大震災や1927年の金融恐慌が生じたため、通貨供給量(マネーサプライ)は増加の一途をたどり、ドル円の実勢レートは1ドル=2.32円にまで円安が進みました。
再び日本から海外に大量の金が流出
1920年代、英米が旧為替レートで金本位制に復帰していったことから、日本もかつての1ドル=2円のレートで復帰することを要請されました。
すると、世界中の投資家は、これに応じた日本を見て、1ドル=2.32円であるうちに大量にドル売り/円買いをしておき、日本が旧レートの1ドル=2円に変更した時点で反対売買のドル買い/円売りをするという、リスクなしに利益確定できる裁定取引を行いました。
これにより、再び日本から海外に大量の金が流出したのです。 |