どのように分析するのですか?
例えば、2008年のベアスターンズ・ショック時のドル円、ユーロ円、ユーロドル市場の価格推移を見ながら考えてみます。
まずドル円市場を見ますと、2月末までは1ドル=108〜109円で推移していたのが、3月に入ると1ドル=95円台に突入しています。
しかしながら、ドル円相場だけですと、この時「円高」が起こっているのか、「ドル安」が起こっているのか判断ができません。
次に、同時期のユーロドル市場を見ますと、2月末までは1.4800ドル〜1.500ドルで推移していたのが、3月に入ると1ユーロ=1.6000ドル台に突入しています。
しかしながら、これもユーロドル市場だけですと、この時点で「ユーロ高」が起こっているのか「ドル安」が起こっているのかは判断できません。
そして最後にユーロ円市場を見ますと、2月末までは1ユーロ=160円くらいだったものが、1時期1ユーロ=153円〜154円ほどになり、再び1ユーロ=160円のレベルに戻っています。
つまり、ユーロ円市場はもみ合いになっていることから、「ユーロ高」も「円高」も起こっていないことがわかり、これにより、この時ドル円市場とユーロドル市場で起こっていたのは「ドル安(ドル独歩安)」であったことがわかります。
こうしたことは、主要3通貨(米ドル・ユーロ・日本円)を取り巻く3つの市場を見ることによって初めて判断できるのです。
独歩高・独歩安とは?
ある通貨だけが高くなることを「独歩高」、ある通貨だけが安くなることを「独歩安」といいます。
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